概要
超伝導現象を利用したSQUID(Superconducting QUantum Interference Device) 磁気センサは地磁気の10億分の1の微小磁場検出が可能です。高温超伝導薄膜を用いたSQUIDは液体窒素(-196℃)で冷却するだけで動作し、本研究室ではSQUID磁気センサの新しい分野への応用技術の研究を行っています。
従来技術
食品内金属異物検出技術の渦電流方式は水分や温度で感度が変化、X線方式は被曝による食品のイオン化や食味の低下の恐れがあります。
優位性
・水分、温度の影響を受けずに検出可能です。
・検査物との距離を近づけると10μmオーダーの金属異物が検出でき、フィルムや医薬品も適用可能です。
特徴
医薬品・食品・リチウムイオン電池正極材などの中に含まれる金属異物を超高感度で検出できる技術および装置の開発を行っています。金属異物は磁化されて、残留磁化を超高感度磁気センサで検出します。
【研究成果】
1.食品金属異物検出装置
Φ0.5mmの金属異物を搬送速度20m/分、製品高さ100mmまで検出可能です。2.工業用金属異物検査装置
Liイオン電池などの製造工程で数10μm程度の微小金属検出が課題となっていますが、試作機では、Φ18μmの金属異物を搬送速度100m/分、製品高さ数mmまで検出可能です。
実用化イメージ、想定される用途
・食品パック、医薬品内金属異物検出装置
・Liイオン電池部材など工業用金属異物検出装置
・配管やタンクなどの傷の非破壊検査装置
・超低磁場MRI異物検査装置 など
実用化に向けた課題
検出可能な金属異物サイズのさらなる微小化磁気センサのノイズレベル低減など
研究者紹介
田中 三郎 (たなか さぶろう)
豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
愛知県「知の拠点事業第一期重点プロジェクト」の成果を基にさらなる研究開発を進めています。
この技術に興味をお持ちの企業の技術相談や共同研究の検討をお待ちしております。
知的財産等
掲載日:2020年10月02日
最終更新日:2023年06月23日