概要
工場や家庭にロボットがいることが当たり前である状況において、ロボットは何をするべきか、どのような身体性や振る舞いを行い人と共在すべきかを明らかにします。人と人との間で行われている相互作用とその効果から、見た目のみのとどまらないロボットの真なる「人らしさ」は何かを研究しています。
従来技術
生産性向上を目的とした人ロボット恊働作業の導入が産業界で進みつつある。安全性や人員削減に注目が集まっている。
優位性
人の視線を観測し、意図を推測することで、ロボットが先読みして行動します。
特徴
私たちは人とロボット恊働作業の発展のため、目の機能を追加し《社会的刺激を与える能力持ったロボット》の研究を行っています。(図1)
1.視線運動機能
アイコンタクトなどの非言語的な意思疎通を人と行います。
2.視線観測反応機能
人の視線を観測し、意図を推測することで、ロボットが先読みして行動します。
実証実験結果
1.テーマパークの屋台でソフトクリームを製造販売するロボット「Reika」(図2)
・ロボットは通り掛かる人を見ます。視線の有無で比較したところ、視線があった時人がよりロボットに興味を持つことがわかりました。
2.外国語の学習支援ロボット (図3)
AIスピーカーGoogle Homeに眼球ユニット「Akagachi」を設置し、外国語の学習効果と外国語不安軽減効果について検証しました。
・Google Homeが外国語不安を軽減し、社会不安の強い学生の外国語教育を改善する可能性が示されました。
・TOEIC®リスニングテストで、学習前後での有意差までは見られませんでしたが、英語に対する得意意識が芽生えたという意見が伺えました。
実用化イメージ、想定される用途
・工場や街角など、人と作業を行う場面におけるロボット運用方法(製品組み立てや、スムージーバーなど)
・外国語独習時の不安除去のための支援ロボット
実用化に向けた課題
・視線運動が恊働作業に与える影響がまだはっきりしていません。その働きを明らかにします。
・人の視線運動を観測するまでは従来のセンサーでできるのですが、そこから意図を取り出す必要があります。
研究者紹介
林 宏太郎 (はやし こうたろう)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 助教
researchmap
研究者からのメッセージ(企業等への提案)
ロボットなどに目の機能を追加し、恊働作業が行えます。上記のように実証実験を行った実績があります。この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2021年03月22日
最終更新日:2021年03月22日