研究シーズの泉

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人とロボットの間でも〈相互主体的な関係〉を築くことを目指します

人とロボットが委ね合いながら何かを成し遂げる関係構築のための研究

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

私たちは、人と一緒に手をつなぎながら並んで歩くロボット〈マコのて〉、人と視線を交わし並んで歩くロボット〈Walking-Bones〉という人との関わり方が異なる2種類のロボットを制作し、人とロボットの間で〈相互主体的な関係〉を築くことを目的に研究しています。

従来技術

人と機械やロボットの関係は、人が一方的に機械やロボットに命令することがほとんどです。

優位性

人とロボットの間で互いに委ねあいながら何かを成し遂げる〈相互主体的な関係〉が構築できます。

特徴

研究成果

1.〈マコのて外観:図1

人がリードする条件、ロボットがリードする条件、人とロボットが協調する条件の3つの条件を設定し、人とロボットが手をつないで歩く実験を行いました。協調する条件のロボットは、他の条件よりも好感度が高く、アクティブで生き生きとした印象を与えることが明らかとなりました。(図3)

2.〈Walking-Bones外観:図2

周囲のモノや人を見渡しながら、人と一緒に歩こうとするロボット〈Walking-Bones〉を製作し、移動ロボットの行う社会的表示が、子どもから手助け行動を引き出すと予想し、小学校でのフィールドワークを行いました。

  • 〈Walking-Bones〉が周囲や人に顔を向ける振る舞いから、〈Walking-Bones〉の顔を覗く行動が引き出されました。(図4)
  • この振る舞いの有無に関わらずロボットへの手助け行動が確認されました。
  • 学年別で分析すると、5年生グループはロボットから距離をとって観察することが多く、1・2年生グループは身体接触可能な近い距離でのインタラクションが多くみられました。
  • 低学年ではロボットの頭をなでるという愛他行動が多く見られました。この理由として、低学年は〈Walking-Bones〉のヨタヨタした動きにより共感しやすかったためではないかと考えられます。
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図1〈マコの手〉の外観
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図2〈Walking-Bones〉の外観
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図3 得られた各因子の因子得点の平均スコアと多重比較結果
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図4〈Walking-Bones〉の顔を覗く様子

実用化イメージ、想定される用途

公共施設内や店舗内の自律配送ロボットを想定した、周囲の人との関わりを考慮したデザイン

実用化に向けた課題

手助け行動を引き出した他の要因の検証と、周囲の人の要因(関わる人の年齢や社会背景など)との関連の検証

研究者紹介

長谷川 孔明 (はせがわ こうめい)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 助教
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

社会に受け入れられるロボットのデザインについて研究しています。この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2022年02月03日
最終更新日:2022年02月03日