研究シーズの泉

豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校の研究シーズが結集した横断的に検索可能なサイトです。

お問合せ メニュー

コンピュータのソフトウェア実行性能を先進的なコード変換技術により劇的に改善します

メモリデータフローの最適化を中心としたプログラム高速化技術の研究

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

コンピュータにて実行されるプログラムを高度な最適化技法に基づき変換を重ねていく技術を、ソフトウェア実行性能の改善やドメイン特化型のハードウェア記述に変換することに応用し、性能だけではなく、電力効率も劇的に改善することを目指す研究に取り組んでいます。

従来技術

・汎用CPUを対象とした命令レベル並列処理の活用のためのコード変換
・スパコンの開発現場などに限定されていた高度なコード変換技術

優位性

・汎用で可読性が高いプログラムから、専用で性能を重視したコードに変換できます。
・スパコン開発現場におけるコード最適化技術をコモディティレベルに展開できます。

特徴

今後期待される高効率で低コストな計算機システムを実現する上で重要となるのは、プログラムの高度な最適化技術です。本研究室では下記のアプリ性能チューニング支援ツールを開発・活用して、プログラムの意図する動作を満たしつつ、対象コードのメモリ参照局所性をターゲットとなるハードウェアの特性に合うようにコード変換を重ねていきます。加えて、スパコン運用の現場で行われていた手作業でキャッシュメモリにヒットするようにプログラムを変換していくプロセスを自動化し適応していきます。さらに、応用分野に特化したパラメータを埋め込んだコード変換を重ねていきます。

【研究成果の例】

開発したアプリ性能チューニング支援ツール

  1. メモリ局所性プロファイラ Exana (EXecution-driven Application aNAlysis tool)
  2. キャッシュ競合検出 C2Sim (Cache-line conflict simulator)
  3. タイルサイズを自動チューニング機構PATT (Polyhedral compilation based AuTo Tile size optimizer)
  4. 実行バイナリコードの実行時最適化機構 Exana DBT (Execution-driven Application Analysis and Dynamic Binary Translation system)

更に、研究室規模のクラスタからスパコン、FPGAアクセラレータ、シングルボードコンピュータに至る多様な計算プラットフォームへの技術の適応を進めています。

087_1 y.sato fig.2.0.png
アプリ性能チューニング支援とその自動化

実用化イメージ、想定される用途

・近年のマルチレイアコンパイラに組み込まれるコード変換技術として、LLVM等のコンパイラフレームワークに組み込まれることを目指します。
そのカスタマイズのノウハウのサポートでビジネスも可能と考えられます。
・全く新しい応用を実現するエッジデバイスをシステムとして提供する基盤技術として活用する。

実用化に向けた課題

・いち早くエッジデバイスで実現したい応用分野の特定
・最適化技法を適応した際の利得を推定する性能モデルの開発
・新しいコード変換機構を開発するために必要なソフトウェアコーディングのための人的リソース

研究者紹介

佐藤 幸紀 (さとう ゆきのり)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 准教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年11月06日
最終更新日:2020年11月06日