
概要
淡水中や海水中などを自由に移動し、配管や橋梁、海底資源探索や断層調査などを行う水中ドローンが、水中に設置されたステーションに着底するだけで、電力も情報もワイヤレスにやり取りできる技術を研究しています。

従来技術
・大型コイルや遮蔽金属、フェライト等が必要で、総重量が重い。
・中小型潜水艦では浮力制御や姿勢制御が困難になる。
優位性
・軽量の送受信器で淡水、海水ともに近距離無線電力・情報伝送が可能です。
・水中ドローンの運用効率を向上できます。
特徴
本技術は平板電極と着底時の衝撃を緩和するダンパだけで従来技術と同等の伝送効率を実現できます。軽量化に非常に優れており、浮力制御や姿勢制御が容易です。
【特長】
- 送受電器構造が非常にシンプル
- 並行平板電極からなる差動送受電器
- 試作した送受電器は総重量 300g以下
- 高い伝送効率を維持し、大電力にも対応可能
- 通信速度 約100Mbpsを達成
Society 5.0 社会の実現、日本の豊富な海洋資源開発に貢献できるキー技術の一つになります。

実用化イメージ、想定される用途
・橋梁やダムの堤体壁面などの構造ヘルスモニタリングに用いる常駐型水中ドローン
・下水管や排水管の劣化診断に用いる常駐型水中点検ロボット
・養殖や海底牧場の環境管理用情通型水中ドローン
・人体内部への電力伝送ツール(医療機器)
実用化に向けた課題
・実使用環境での伝送効率の測定
・位置ずれに対する効率変動の定量化
・ダンパを含む実用的な構造の検討
・EMIの測定
研究者紹介
田村 昌也 (たむら まさや)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
researchmap
研究者からのメッセージ(企業等への提案)
この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年05月27日
最終更新日:2022年08月01日