研究シーズの泉

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高速化・小型化・高秘匿化を実現します

制御プログラムのハードウェア化の研究

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

FPGA(Field Programmable Gate Array)は、昨今では産業界で広く用いられています。FPGAを使うと専用LSIを極めて容易に単品生産することができるため、これまでソフトウェアで行っていた計算処理を、専用ハードウェアで安価に高速化できるようになります。

従来技術

・ソフトウェアは修正や改良が容易
・低速で、実時間処理に限界がある
・解析が容易で、知財が流出しやすい

優位性

・FPGAの利用により、変更や改良が比較的容易です。
・回路の小型、高速化、セキュリティ向上が図れます。

特徴

学術的な計算応用から実用的な制御応用まで、幅広い応用分野について専用回路を設計・実装・評価してきました。ソフトウェア処理をハードウェア化するだけでなく、入力データの一部までハードウェアにして小型・高速化する「特殊化技術」についても研究しています。

【研究成果例】

PLCの命令列をC言語やハードウェア記述言語(VHDL)に変換するツールを作成しました。FPGAを用いてPLCプログラムを論理回路化することにより、PLCの利点である柔軟性を保ったまま、制御論理の速度と秘匿性の向上を図ることができます。三菱電機FX2N PLCの命令列をVHDLに変換し、Altera StratixII FPGA上に実装して評価しました。

整列巻取機のPLCプログラムについて幾つかの設計を比較評価した結果、
Sequential DesignではPLCと比較して約1800倍、Flat DesignではSDの5.6倍(PLCの約10000倍)の高速化が得られました。

論理規模はSDが3554ALUT、FDが2643ALUTで、現行FPGAの容量と比較して充分小さい規模が実現できました。

038_1 市川先生 図1.1.png
FPGAによる専用回路評価ボード
038_1 市川先生 図2.2.png
専用回路技術の組込み制御への応用

実用化イメージ、想定される用途

・小規模でスキャンタイムの小さい実時間制御
・専用回路化により、マイクロプロセッサよりコスト性能比の良好な制御論理を実現
・制御論理の難読化により知財やノウハウの流出防止

実用化に向けた課題

・現状では研究用(データ収集用)であるため、第三者による利用の配慮が必要です。
・FPGA用CADソフトウェアとの接続を容易にし、作業の自動化・容易化が必要です。

研究者紹介

市川 周一 (いちかわ しゅういち)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年06月29日
最終更新日:2020年06月29日