研究シーズの泉

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情報通信の低電力化・大容量化に対応する集積光デバイスの実現を目指しています

Si系光導波路

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

SiやSi窒化膜を用いた光導波路によって、Siチップ上で自在に光を伝搬でき、大容量の光通信チップ(波長1.3 - 1.6 µm)やAIチップのような高性能LSI用の光配線が実現できます。従来のSOI(Si-on-insulator)ウエハを用いる方法に加え、標準的なSiウエハを利用する技術の開発を目指しています。

従来技術

SOIウエハは、埋め込みSiO2層が数μmと厚いなどエレクトロニクス用と仕様が大きく異なり、かつ高価格です。

優位性

低価格で入手できる一般的なバルクSiウエハを利用したSiフォトニクス技術です。

特徴

一般的なバルクSiウエハを利用したSiフォトニクスの実現の鍵は、下記の特性を実現する点にあります。

(1)低損失な光導波路

 Si系誘電体堆積膜を加工して、低損失な光導波路を形成することが必要です。光導波路を多層化することを考えると、1 μm程度の薄いクラッド層を用いることも重要です。これまでに反応性スパッタ法によるSiNx堆積膜(独自手法)を用いて、低損失なSiNx光導波路(波長1.31µmおよび1.55µmとも1 dB/cm以下)、多モード干渉を利用した1×2分岐導波路、リング光共振器(合分波素子)を実現しています。波長1.31µmにおいては、1 μm程度の薄いクラッド層を利用できることも実証しています。

(2) 光変調器や受光器との集積化

 光変調器や受光器と集積することで、高性能・高機能な光通信チップが実現できます。これらの素子には半導体pn接合を用いる必要があり、さらに上記のSiNx光導波路と集積化することも要求されます。SiあるいはGe堆積膜を利用したデバイスの設計・試作を進めています。
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作製したチップの光学顕微鏡像の例

実用化イメージ、想定される用途

情報通信での高性能な光デバイスを低価格化

実用化に向けた課題

・光変調器や受光器との集積化
・1.55µm帯でのクラッド層の薄層化

研究者紹介

石川 靖彦 (いしかわ やすひこ)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年09月11日
最終更新日:2020年09月11日