概要
固体粒子は一般に原料を溶融して融液滴とし、これを凝固させて製造されています。大きさの揃った粒子の効率的製造のため均一な液滴を連続生成する簡単な技術が求められています。
本研究では、エタノールを供試液体とした微小振幅での加振実験の結果、斜め方向加振された液体噴流はノズル内径と同径の液柱に対する軸対称Rayleigh モードの周波数の約1倍から2倍程度までの周波数範囲において加振に同期して均一な液滴へと分裂することを確認しました。
従来技術
液体噴出ノズル孔を長円形にして規則的な分裂させ、連続生成も期待されますが、ノズル製作が煩雑で好適な液体噴出速度の範囲が必ずしも広くありません。
優位性
ノズル軸対称Rayleigh モードの周波数の約1倍から2倍程度までの周波数範囲では、加振に同期して均一な液滴へと分裂し、大きな余滴の生成も少なく、生成液滴径のばらつきも小さくなります。
特徴
【研究成果】
微小振幅で斜め方向に加振されたノズルから静止雰囲気中に鉛直下向きに噴出された円筒状の平滑液体噴流の分裂過程を、エタノールを供試液体として行った実験の結果、次のことを確認しました。
- 液体噴流はノズル内径と同径の液柱に対する軸対称Rayleigh モードの周波数の約1倍から2倍程度までの周波数範囲において加振に同期して均一な液滴へと分裂する。
- 液体噴流がより速やかに分裂し、大きな余滴の生成が少なく、かつ生成液滴の径のばらつきも小さかった。
実用化イメージ、想定される用途
溶融原料からの球状固体粒子の製造、標準粒子の生成、球状食品等の製造
(例:半田ボール、粉末冶金の原料、ショットピーニング用粒子、インクジェット塗料)
実用化に向けた課題
噴出液体の特性に合わせたノズル径や噴出条件、加振条件などの最適条件を検討する必要があります。
研究者紹介
鈴木 孝司 (すずき たかし)
豊橋技術科学大学 機械工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
液体の噴出・噴霧にご関心のある企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年10月20日
最終更新日:2020年10月20日